※長編設定ルークです。







save me from the dark





目が覚めたときに最初に気付いたのは、頭が酷く痛むということだった。アニスのいう所謂便利連絡網を使った時とは違った酷い痛みだった。それに何だかぼうっとして焦点が定まらない。
ルークは一つ、息をついた。
まだ定まらない視界の内で、自分の置かれている状況を把握する。
暗く窓もない部屋。質素なベットの上に転がされているらしい。両腕が背中に固定され縛られている。逃げないようになのか、足も同じように縛られていた。
唯一の出入り口であろう鉄の扉は硬く閉ざされている。


「え・・・」


呆然と目を見張った。そして思い出す。
冷めた目で己を見るヴァン。暗示によって勝手に動く両手を無理矢理捻じ伏せて愛刀を抜きヴァンに斬りかかった。
そして・・・?
その後どうなった・・・?
薄れる意識の端でアッシュが己の名を必死に呼ぶ声を聞いたような気もする。


「捕まった・・・?」
ルークは唇を噛んだ。
「なんて・・・どじ・・・」


アッシュをヴァンの呪縛から救いたかった。そう、願い暗示を振り切ってまで行動を起こしたというのに。
何とか身体を動かそうと手に力を込める。が、ぴくりとも動かなかった。
「逃げるのは、難しそうですね・・・」
諦めて、力を抜く。次に何が起こるか大体の予想はついている。ヴァン相手にどこまで自分でいられるだろうか。


どれくらい時間が過ぎたのだろうか。外から足音が近づいてくるのをルークの耳が拾う。足音は部屋の前で止まる。暫しの静寂の後、重い鉄の扉が開いた。
「少々手荒にしてしまったが、問題はなかろう。気分はどうだ?『レプリカルーク』」
ルークは近づいてくる男を見つめた。
七年間師として仰いできたヴァンが冷ややかな視線を己に向けていた。
「暗示を捻じ伏せるとは思わなかったぞ。それで・・・お前は何を知っている?」
ヴァンはベットに縛り付けられているルークの傍に腰掛けると、その白い面に指先を這わせる。
「貴方に教えることは何一つありません。」
「・・・思ったより情が強そうだ。しかしその強情が何時まで持つものか・・・」
「何するっ・・・!」
口許に弧を描きヴァンはルークの顎を掴むと口の中に無理矢理液体を流し込む。
途端に全身に拡がる甘い疼き。
喉が液体を呑み込んだのを確認するとヴァンはルークのベルトに手をかけた。
抵抗が出来ない歯がゆさにルークは唇を噛みしめた。





アッシュ―――



祈るようにルークは己の被験者の名を心の内に唱えた。




エロ入れるか悩んだけど・・・・。気が向いたらアッシュが助けに来る続きを・・・。