しとしとしとしと雨模様。
早くお日様、笑ってよー!!!




【レインボースマイル!】





雲さんどんより、泣き虫お空。
いつも明るい声が聞こえてくるぶうさぎ幼稚園も、ここ数日のお天気ではなんだか淋しげです。

季節は梅雨の真っ只中。
もう随分とお日様は笑ってくれません。


おや?ちーぐる組から元気の無い声が聞こえてきます……。






「きょうもあめなのー…」
「もーおれあきたぁ〜〜。そとであそびたいっ!!」
「……おれもあきた」


教室の窓から空を見上げ、ロイド君と双子ちゃん達は不満気なお顔。
みんなお外で遊びたくって仕方が無い様です。

遊び盛りの元気なちびっ子達ですから、しょうがありませんね。


「う〜〜〜〜…くもさんのいじわるぅ〜!!」
「るーくをこまらすんじゃねぇ!くもごときがっ!!」


天候に切れられても困ります。
アッシュ君、無茶にも程があるんじゃないかな…。


「ひまだなぁ〜〜」


そんな感じでつまらなそうにしていたら、ガイ先生が3人に話しかけて来ました。


「ははは、外で遊べないからつまんないよな〜」
「がいせんせー!おれさぁ、そとであそびたいんだよー」
「うぅ…くもさんはるーくがきらいなの……ふぇ……」
「おい、がい!てめぇなんとかしろ!!るーくをなかすんじゃねぇ!!」
(ええええ!?俺のせいかよっ!!!?)


ガイ先生もたまったもんじゃありません。
今またガイ先生の毛髪の寿命が縮んだ事でしょう。
しかしガイ先生も大人ですから、可愛い園児達の為に頭を捻ります。


「う〜〜ん。………そうだ!てるてる坊主を作ろうか!!」
「てるてる、ぼーず?」
「なんだそれは」
「あー!おれしってる!!あめをふらさないよーにしてくれんだろ?」
「お!ロイドよく知ってたな〜。ちょっと待っててくれよ?」


ガイ先生は道具箱を出して来て、近くの机に置きました。

何が何だか分からない双子ちゃん達でしたが、ロイド君について行きます。
机ではガイ先生がティッシュ箱を用意して待っていました。
「よーし、じゃあまず先生が作るぞ。ティッシュを丸めて、もう一枚のティッシュで包んで…紐で縛る。マジックで顔を描いて、と。これで完成!」
「よーしおれもつーくろっと」
「ねぇてるてるぼーずってなぁーに?」
「さぁ…おれもしらない」


首を傾げる双子ちゃん達にガイ先生が説明します。


「これはてるてる坊主って言うんだ。これを部屋に吊して、雨は嫌だー晴れがいい!って願うと、てるてる坊主が明日の天気を晴れにしてくれるんだよ」
「へぇ〜そうなんだ!てるてるぼーずってすごーい!」
「ほんとーにはれにしてくれるのか?」
「ああ!おれもまえにとーさんとつくったことあるけど、はれにしてくれたぜ!」
「ほんと!?あっしゅ、つくろーよ!」


ロイド君の楽しそうな笑顔にルーク君はワクワクしてきました。
きらきら笑顔でアッシュ君も誘います。


「はい、てぃっしゅ。えっとーまるめてー…つるす?」
「まるめてつつむんだろ」
「るーくへただなぁ〜」
「ろいどもうできたの?」
「へへーん、らくしょーらくしょー!」


そうしてわいわい作っていると、クラスのみんなが集まって来ました。
楽しそうな姿に、みんなは興味津々です。

ちなみにスパーダ君はティア先生をからかいにか、今日もふらっといなくなってしまいました。
素直でよろしい。←そうか?


「まぁ、いったいなにをしているのです?」
「がいせんせーと…ありえったもあそびたい……です」
「そうだな、みんなで作ろうか!」


ガイ先生がてるてる坊主のお話をするとみんな瞳を輝かせて頷き、我先にとティッシュを手に取ります。
やっぱりお外で遊びたいのですね。


「へへ〜できた!これであしたははれるよね」
「あめふってたってかいるはねてんじゃんか」
「だってうちのなかもあめふってるんだもん」
「うちのなかで?へんなのぉ。そんなのないよ、ねぇあっしゅ」
「…うちは、な」


カイル君のお家は相当なボロ屋の様ですね。
涙をそそります。

が、ボンボンのルーク君には意味が分かりませんでした。

子どもは残酷です。


「よーし窓の所に吊してくから、出来たら持って来いよー」


ガイ先生はみんなのてるてる坊主を次々に吊していきます。
願いを込めて並んでいくてるてる坊主達。
様々な形や顔をしていて、一つとして同じ物はありません。


「せんせー、るーくのとあっしゅのはいっしょにしてね!」
「わかったわかった。てるてる坊主が明日晴れにしてくれたら、御礼に金の鈴をあげようなー」


隣同士で揺れる双子ちゃんのてるてる坊主に、ルーク君もご満悦。
さっきまでの憂い顔はどこへやら、ぱぁっと晴れた笑顔が咲いています。


「てるてる坊主、てる坊主〜明日天気にしておくれ♪」
「がいせんせー、それおうた?」
「そうだぞ〜〜皆で歌って、お願いしような」
「は〜〜〜い!!」


退屈な雨の日、ちーぐる組から大きく歌声が響いたのでした。
それは雲を吹き飛ばしてしまいそうな程元気な歌声で。


(今日は帰りに、金の鈴を買って来なきゃな)


ガイ先生も、皆も、楽しい一日を過ごしたのでした。








その日の夜。

ベットに入ったアッシュ君とルーク君は、楽しそうにお話ししていました。


「ねぇあっしゅ。あしたはれるかなぁ?」
「はれるさ、きっと」
「そーだよね!ふふふ…あしたはおそとでなにしてあそぼーかなぁ…」


手を握り合い、明日の晴れを夢見ながら双子ちゃん達は眠りについたのでした。



END



あーしたてんきになぁーれ!!




深都夜さまから相互記念に書いていただきました^^

かわいいアシュルク有難うございますw
悶えながら読ませていただきました^^
今後ともよろしくお願いいたします〜